お母さんへ

私はやっぱりお母さんのことが好きみたいです。
離れていても、やっぱり考えてしまいます。
だけどやっぱり、どこかでお母さんのこと嫌いみたいです。

お母さんに何をして欲しいのかわかりません。

ただ、余裕の無いお母さんを見ていて悲しいです。
いつでも不安の色でいっぱいなお母さんを見ていて悲しいです。

私は気が付いたら、お母さんを喜ばせたくて必死でした。
いい点を取ったら喜んでくれるから嬉しくて頑張りました。
家のお手伝いをしたら喜んでくれるから嬉しくて頑張りました。

でもそのうち、「そのくらいのこと」では喜んでくれなくなりました。

いつの間にか喜ばせたいという純粋な気持ちは、
褒められたいという欲に変わりました。

オールAで通知表を埋めてみても、褒めてくれませんでした。
ピアノで最優秀賞を取った時も、お母さんから掛けられた言葉を覚えていません。
(あんなに先生に手を叩かれながら頑張ったのに…)
習字ででっかいトロフィーをもらった時も、
すぐにお母さんはもっとできる子供と私を比較して
「あの子は凄いね」って言いました。
………そんなのどうでもいいからこっちを向いて欲しかった。

だから一番になろうとおもいました。

それはソロバンの大会の日のことでした。
読み上げ暗算で一位になりました。
読み上げ算でも一位になりました。
そして最後、総合競技でも自分が一位だと会場で発表された時、
私は「嬉しくて笑っているお母さん」を想像して、
急いで会場後ろにいるお母さんの姿を探しました。
「全部貴女の娘が一位を独り占めなんだぞ。」

でも、私が慌てて振り返って見つけたお母さんの顔は、無表情でした。

昨日のことのようにハッキリ覚えてます。
正直、心がひねくれました。

そこからは淡々と物事をこなす様になりました。
お母さんが褒めてくれなくても、
他の人が褒めてくれるからいいやって自分を慰めました。

だけどほんとは、お母さんが欲しかったです。
お母さんの言葉が欲しかったです。

いつからか、なんで頑張っているのかわからなくなりました。
いつからか、なんで生きていなきゃいけないのかわからなくなりました。

なんでいつでも私の神経はピリピリしているんだろう。
なんで楽しくも無いのに人に気を遣って笑っているんだろう。

だんだん腹が立ってきました。
お母さんから生まれてきてしまったことを悔やみました。

他のお母さんなら褒めてくれたはず。
他のお母さんならもっと優しかったはず。
他のお母さんなら 他のお母さんなら 他のお母さんなら………

八つ当たりにも近い気持ちで、いつの間にかお菓子を食べてました。
でも、お母さんは「年頃になったら太るもんよ」ってのほほんとしてました。
(いくら年頃でも20キロも一気に太らないと思います。)

高校ではお菓子に加えて、刃物にも手を出しました。
「勉強しない」から、いつのまにか「勉強できない」になってたからです。
気付いた時、自分は使えない、要らないと思ったからです。
授業中にまで腕を切り刻んでたりしてました。
誰が見てようが見てなかろうが構わないってくらいに心が荒んでました。
きっと商品価値がなくなってしまった様に感じて怖かったからだと思います。

大学生になって腕の傷にたまたま気付いたお母さんは
「あんたって何考えてるかわからん」って一蹴しました。
「お父さんの子だからそんなことするんだ」って、「もうするな」って、
理由を深く追求することもなく、一言で片付けました。

がっかりでした。
心の中のどこかで期待してたからだと思います。

その日から、カッターを手にすることはなくなりました。
(それでもお菓子は手放さない)

たまたま摂食障害のテレビを一緒に見たときも
「かわいそう」みたいなことをお母さんは言いました。
でも知ってます。
人事だからお母さんはそういう風に言うんだということを。
自分の子供がそうだと知ったら、可哀相なんて気持ちは吹っ飛んで
私を怒って責めて嘆くだろうということも。
傍で見てきたから、お母さんのことは誰より私が知ってます。

だからずっと内緒です。

馬鹿みたいに恐ろしい量を食べることも、
トイレで片手で胃を押しながら、片手で喉に手を突っ込みながら涙を流して吐くことも
お母さんには内緒です。
この秘密は墓場まで持っていくつもりです。

私は二重人格です。

お母さんに幸せになってほしいと思います。
でも、お母さんに罵声を浴びせてやりたいという気持ちでも一杯です。

一度、立場を交換してみたいです。

私がお母さんの親になってみたいです。
一生懸命勉強を頑張っていい点取ってくるお母さんを、
「まだまだ」って罵ってやりたいです。
「あの子はもっと凄いわよ」って言ってやりたいです。

ちょっとでも悪い点を取ってきたら、その単元の参考書を何冊も買ってきて
「なんでこんな簡単な問題がわからないの!!」って
参考書を顔面に投げつけてやりたいです。
同じこと、仕返ししてやりたいです。
やられたらやり返したいです。

あぁ、やっぱり私は二重人格みたいです。

貴女が好きなのか嫌いなのかわかりません。



手紙を書くつもりが、結局恨み言みたいになってしまいました。
今回の手紙は失敗です。
まだまだ浄化できてないみたいです。

こんな娘でごめんなさい。

コメント

nophoto
トオリスガリ
2007年2月11日19:16

でもさ、したをみたらきりないよ。食事させてもらえて家に済ませてもらえて。。。レベル高いなやみともいえるうよね。ピアノ習わせたりお金かかるのに・・・そういういい面だけ少なくても拾ってった方が、同じ状況ならあなた自身がラクになるんじゃないかなあ。ストリートチルドレンや親に売春させられる子とか、下にはしたが居る。うらみや憎しみを憎しみで返すなら争いや悲しみはおわらない。あなたで止めようよ。反面教師として感謝しようよ。嘆いても悲しんでも同じ状況、過去のことだから変えられない。だからこそこれからの日々までその残骸で汚さないで。
あなたが今日まで生きていること、そこにはあなたが求める形ではなくても「愛」があったはず。認めようよ。それも愛だと。愛なんだよ、100万億もらわないと満足できない??1円でも恵んでくれたらその恵みを喜ぼうよ。

AYANO
あやの
2007年2月11日22:14

トオリスガリさんの仰ること、もっともです。
でも脳が納得してくれないんです。
食べたい衝動が消えないんです。
私はまともな親になれません、きっと。
親と同じように、何かを与えては、成果を求めるんです、子供に。
だから、自分なりに考えた結果、結婚しない、
子供を作らないって結論を出しました。
私で止めるために。
親に感謝もできない、恨んでばっかりで、
食べて吐いてばっかりで、
そんな子供は生まれてくるべきではない。
素直に愛せないんです、きっと。
自分の子供までも憎んで恨んでしまうんです。
100億円なんていらないんです、愛が欲しかったんです。
安心して息ができる場所が欲しかったんです。
いくら物質的に恵まれてても、常に神経が張り詰めてる。。

ごめんなさい、せっかく書き込んで下さったのに、
想いに応えることが、今はできないんです(:_;)

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索